ク国石油が出る説

※注:オクトパストラベラー2、ヒカリシナリオとパルテティオシナリオの内容及びパーティーチャットのネタバレが含まれる

※注:素人によるゴリ押しのこじつけなので、鼻で笑って読むように

 

 

モンテワイズにこういうことを言っている人がいる。

 

大地を調べている鉱物学者。時代によって陸地は大きく変動すると主張。各地の鉱物を採集、比較することで太鼓の世界の形を把握しようとしている。

ソリスティアにもプレートテクトニクスが生まれようとしているらしい。

現実世界においてウェゲナーが初めて大陸移動説を唱えたのが1912年、一方でワットが改良型蒸気機関で特許を取得したのが1776年だから、時代感を合わせて考えてみるなら、この学者の先生はかなり先駆的なのかもしれない。

というわけで、これを免罪符にしてもう少し妄想してみる。

 

 

ワイルドランドの土が赤い。

 

土が赤いということは、酸化鉄が多く含まれているということである。
なぜワイルドランドの土は赤いか?
恐らく、ワイルドランドのイメージは西部劇、つまり西部開拓時代のアメリカである。

ワイルドランドには切り立った崖が多いが、あれはしばしば西部劇の舞台にされたモニュメントバレーのイメージから引っ張ってきているんだろう。

(コンポーザーの西木さんもワイルドランドの楽曲には西部劇をイメージしたと言及している。)

www.youtube.com

 

ヨーロッパから大西洋を渡ってアメリカ大陸に移入した人々は、やがて国家として独立し、領土拡大のために東から西へ、海岸から未開の荒野へと開拓を進めていった。

北アメリカ大陸の中央部分は安定陸塊、つまり先カンブリア時代から大きく動いていない地面である。先カンブリア時代光合成の名残で土壌に酸化鉄が多く含まれるから、アメリカ内陸部の荒野は土が赤い(一説)。                                  

 

一方、オアーズラッシュには火山があって銀が採れる。銀の鉱床は火山活動によって生成されるため、新期造山帯に位置する場合が多い。つまりオアーズラッシュ周辺は新期造山帯である可能性が高い。


以上からソリスティアの地理を類推すると、こう


ワイルドランドが安定陸塊であるなら、オアーズラッシュを通る新期造山帯は南北を通ってはいないだろう。

ヒノエウマとリーフランドの文化の隔絶も気になる。それぞれの地方の中心であるティンバーレインとク国を結んだ中心点でなく、西海岸でもなく、東に逸れたリューの宿場が交易地となっているのは何故か。なぜティンバーレイン兵と移民の紛争の前線はサイの街付近なのか。そこにはティンバーレインとヒノエウマを直線で結ぶことのできない地理的な事情があるのではないか。

とすれば、考えられる可能性の一つは、「二つの地域を山岳地帯が隔てている」、といった場合である。人の通行しやすい平野が主に東側にあるために移民の衝突も東側で起こる。逆に武器の密輸入は多少無理をした行軍ルートを経てウェルグローブで行われるのである。オアーズラッシュを通って西大陸を東西に隔てるように山岳地帯が存在するとすれば、これらにも説明がつく。(ついでにヒノエウマ全土が砂漠がちな理由にもなるかもしれない。低緯度地帯で海から入る湿った風をことごとく遮ってしまうから内陸全土が乾燥する。)

ヒノエウマの川とリーフランドの間の虚無地帯が実は山脈なのではないか、という説

(※注:厳密には、造山帯=山脈ではない。造山帯の存在は山岳地帯が生じる一因となるだけである。ここまで、そしてこれ以降の記述も、その多くはあまりに素人感想であり、こじつけが過ぎるお粗末な代物であるのだが、今日は俺個人が楽しい妄想の話をしたいのでスピードとグルーヴ感を重視してこのまま突っ走ることとする。)

 

 

 

さて、ここからが本題である。

石油とは何か。

 

石油、石炭、天然ガス等の化石燃料の成り立ちについて現在有力な仮説は、太古の生物の死骸を原料とする有機起源説である。海の底などで降り積もった有機物が地層に閉じ込められて熟成され、化石燃料となる。

 

油田の形成には5つの条件が必須であるとされている。その条件とは、

 

①良質な根源岩(有機物の層)の生成とその熟成

②高い孔隙率を持つ貯留岩(石油を貯められるようなスカスカの構造を持つ地層)の存在

③トラップ(石油の貯まりやすい場所)の形成と油の集まるタイミング

④トラップまでの油の移動経路

⑤帽岩(石油がそれ以上地上へと移動するのを防ぐ不浸透性の岩石の存在と保存

 

以上の5つである。

このうち、トラップとなるような隙間は、地層が褶曲することによって生じる。地層を褶曲させるような地質構造活動が活発な地域といえば、例えば、新期造山帯のふもとである。山がせり上がることによって地層が曲がり、石油の貯まる隙間ができる。

言いたいことはお分かりか。

 

discordで興奮するキモ・オタク(当時未クリア)



……といったことを妄想しながらヒカリ3章くらいまで遊んでいたら、その後さらに激アツすぎる情報が作中からもたらされてしまった。


ク国では岩塩が掘れる。マジで言ってる?

 

ク国周辺がかつて海だった=有機物の層が存在する可能性を示唆する、というだけではない。未開のク国で(失礼)軍師が助言するだけで事業が動いてサクっと掘れる程度に掘りやすい、地表近くに岩塩層が存在するのである。

大地が動く程の太古の海の塩がなぜ地表で採掘できるか? それは、塩自身が地表へと動いているためである。

 

Salt Glacier, Zagros Mountains

出典:NASA Earth Observatory (Public Domain)

岩塩ドームと呼ばれる構造がある。その名の通り岩塩が地中から地表へ隆起しドーム状になった地質構造である。

岩塩ドームは昔から世界中でよく研究されてきた。なぜなら、岩塩ドームのある場所にはしばしば油田が存在するからである。

 

岩塩は構造運動を受けなければ平らな地層として地質中に存在するが、褶曲運動を受けるとドームを作る。岩塩層は他の岩石の地層より軽いため、浮き上がりやすい。

更に、岩塩には浸透性が無い。岩塩層の上に根源層が存在し、かつそれが褶曲して盛り上がった場合、上記の油田の条件のうち①、③、④、⑤を満たす状況が完成する。

 

出典:Salt dome trap - By MagentaGreen - Own work, CC BY-SA 3.0 

 

1901年、米国はテキサス州の岩塩ドーム「スピンドルトップ」において、ボーリングによる調査が行われた。すると掘削347mの地点で1日あたり10万バレルの大量の原油が噴出した。この発見によって米国の石油産出量は当時トップのロシアを抜いて一気に3倍に増大したという。

 

パルテティオによって産業革命が世界中に配られた以上、次に起こるのは必然的にエネルギー革命である。現在採掘している燐石炭やら何やらでは足りなくなる時代が間違いなく、すぐに来る。

(実際の石油の採掘にはかなり高度な技術が必要で、もうちょっと時代を下ってから成立するのだが、そういった困難を乗り越えて利潤を追求してきたのが人類である。産業革命が世界中で同時に起こってしまえばその需要は更に高まり、技術開発までのスパンも圧縮されるだろう)

石油が出てしまえばク国は資源に乏しい貧民国から一気に資源大国へと逆転してしまう。この資源を使ってヒノエウマが平和に発展していければよい……が……

 

 

 

 

 

 

 

 

(※ここから先は萌えの話↓↓)

 

……とはいっても難しいかもしれない。例えヒカリの治めるク国だけが戦争を回避しようとしたとしても、石油の出る土地をめぐる周辺諸国や部族間の争いは防ぎきれないかもしれない。ただでさえク国は周辺の支配を放棄してしまったし、旧ク国の邪知暴虐のせいで領土主張がグチャグチャになってる可能性もある。

さらに言えば、脅威はヒノエウマだけではない。ヒノエウマより発展したティンバーレインや東大陸の企業が先に石油メジャーを作り上げ、未開のヒノエウマから利潤を搾取しようとするかもしれない。実際メキシコやイラン等の産油国が欧米のメジャーから石油資源を取り戻し国有化しようとし始めたのは20世紀も半ばになってからである。

 

……するとどうなるか

「ある意味自分が産業革命を広めた負の側面としてヒノエウマの情勢がどんどん悪化していく中、抑止力としての強力な兵器の輸入を勧めながら自らも悲痛の表情を浮かべている大商人イエローウィル(54)と、それに苦悶するク国王 (51)が、決着のつかない密談の合間に、王城の客間で二人でワインをあけて寂しそうに笑ってる様子」とかが見れるってワケ……

 

まじでこの萌えツイをするためだけにここまで書き溜めた妄言を公開した

公開したから満足した おしまい

 

 

 

 

参考

泊次郎『プレートテクトニクスの拒絶と受容 戦後日本の地球科学史』 2008 東京大学出版会

西川有司『おもしろサイエンス 地層の化学』 2015 日刊工業新聞社 

田近 英一(監修)『Newton大図鑑シリーズ 地学大図鑑』 2021 ニュートンプレス

Roslynn D. Haynes 『図説 砂漠と人間の歴史 』 2014 原書房

独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス資源情報

https://oilgas-info.jogmec.go.jp/index.html