ヒカリクかっこいい日記

※エンドロールまで全部ネタバレ

 

 

 

ヒカリクってまじでかっこいい 

今日はその要旨で作詞した国歌を独唱する

 

 

いきなりだけどヒカリの人生って多分一生茶番 というサビがある。 

まあ聞いてくれ 順番に話すから 

この話をするためにはたくさんカザンの話をする必要がある

 

 

前々から思ってるし言ってるんだけど、ヒカリの朱玄城攻め、ちょっとかっこよすぎないですか?っていう

どこを切り取ってもビジュアル的に映える場面ばかりじゃないですか

自然を味方につけた正面突破、嵐、雷、王子自ら打ち鳴らす宣戦布告の鐘

 

カザンの朱玄城攻め作戦ってちょっと無茶じゃないですか。いくらセキュリティホールがあるからって城門から本丸まで街一つ分距離があるのに正門から突破!!はやっぱり無理があると思う。
戦争は奇襲が基本ですよ。攻め込む前に目立っちゃったら対策立てられておしまいなんすよ。正門はいちばん目立つから正門であるわけで、目立つのを防ぐ(敵の視界を遮る)ための人工砂嵐だったみたいですけど、しかし人工つったって気象を読まなきゃいけないわけで、確実性は低い。

気象を読むのは難しいですよ。現代にスパコンで計算する気象予測すら完璧ではない

カザン氏はあの厳しい砂漠の野営地で一体いつまで風を待つつもりだったのか

 

まだカザンの作戦にケチつけますけど

本当に朱玄城って正面から攻めなきゃいけなかったんですかね。

これは例えばですけど、城内に密偵放って暗殺したほうが早くて確実じゃないですか?

 

なぜソローネは暗殺屋であって決闘屋やカチコミ屋ではないのか。前者だけが商売として成り立つほどメジャーなのはやはり手段として確立しているからでしょう。カチコミが手段になるのはヤクザの抗争等、「その後」がある場合です。敵対組織Aを潰した後で周辺組織BCDとの勢力図にも影響を及ぼしたいときに、威力を誇示する派手な大暴れはパフォーマンスとして効力を発揮するでしょう。一方、ヒカリの敵はムゲンしかいません。少なくとも彼自身は周囲を威圧して征服することも望んでいない。

カザンはぶっちゃけムゲンにも通じてたわけだし、なんなら城内の人間に口利きだけさせて女官に扮装したヒカリを一人で送り込んで寝室で殺すとかも全然ありだと思うんすよね。ムゲンと正面から戦っても勝てちゃうのがヒカリという人材、特殊な駒なのだから、普通~~に考えて、その戦闘能力をフル活用して、極力不意を突いて寝首を掻くのが最も簡単で安全で確実だと思う。

でもそうはならなかった。もしそこに理由があるとしたら何か。

 

キモオタは深読みが大好き。

じゃあ深読みするべ。

 

基本中の基本に立ち返るが、朱玄城に攻め込むのは、当然、ムゲンを殺すためである。ここはカザンではなくオボロにとっても絶対にムゲンを殺さなきゃいけない場面ではある。だって毎日黒血剣を抱っこして寝てるムゲンから黒血剣を没収するのがムゲンの最終目的なのだから。オボロにとってムゲンを殺すことは、ク国の未来とかカザンとしての芝居とか抜きにしてマスト項目である。これ前提の確認ね。

そもそもの発端として、最終的にムゲンを殺したいがために、温厚なヒカリをムゲン絶対殺すマンに仕立て上げたのもオボロである。
オボロはそのために城下の民を焼き殺すようムゲンに進言し、結果として、思惑はその通りになった。ヒカリは怒り、王になると決意し、宣言通りムゲンを殺して王になった。

 

余談1:そういう狙いでもないならわざわざ自国の貴重な資源ともいえる町と人を自分で焼くのって意味がわからなすぎる。信頼してる軍師に言われたからってノリノリでそういうことして愉悦しちゃうあたりムゲンって政治家としてはバカだし無能、こいつに国を任せたらどっちにしろ終わり。そしてそれが本来決まってた運命だった辺りク国はやはり斜陽国家

 

余談2:ク国ってそもそもかなり嫡男世襲ルールが厳しかったんだと思う。母親を殺され、自分も暗殺されかけたことを知っていて、戦場でもその蛮行を度々目にしていて、それでもヒカリが「兄に国は任せられない!」とはならず、当然兄が王位を継ぐものだと思わされるほどの強固な世襲運用。ジゴがヒカリに王位を継がせようとしたのは、ク国を大帝国に押し上げたシゴだからこそできた異例の発案だったのかもしれない。まあ世襲って大概そういうものなんでしょうけど。

だけどどっちにしろカザンはジゴにヒカリを王にすべく後押ししただろうと思うし、なんならいっぺん城下で領主をやらせるよう進言したのもカザンなのでは?とワイは思っとる。カザンが全部謀ってたら嬉しいから。

ヒカリに大事なものをたくさん作らせて、それを最後に全部奪う、マキマさんみたいなカザン

 

 

ク国で長兄以外が王位を継ぐにはそれなりの根拠が必要だった。ヒカリ自身にはそれだけの根拠を自ら作る気力は無かった。城下が燃えて友が死ぬまで。

なんならヒカリには「自分が王になったとて権力を握ったら父や兄と同じことをするだろう」という恐怖もあったかもしれないね 呪われた血を誰よりも怖がってるのがヒカリだったから

そういう無欲で、温厚で、ある意味では臆病で無気力だったヒカリを焚き付け、王になるまでの道を舗装しお膳立てしたのがオボロ

 

 

話を戻す

 

なぜヒカリは“映え”なきゃいけなかったのか。ムゲンを殺すという最大の目的の下で、ムゲンを殺すのと同じくらい、ヒカリが英雄的に活躍するようなビジュアル面の映えもある程度優先されて最後の作戦が立案されたとしたら、それは何故なのか。

ヒカリが主人公のゲームだからと言われればそっスねつって着席するしかないんですけど まあ今日だけは俺を羽交い絞めにしようとする警備員も振り切って起立させてもらうんですけど 私それもオボロというかカザンの作戦のうちだったと思うんすよ

 

オ「こうやって段階踏んでエピソード作って王位を継げば妾腹の第二王子でも国内外の支持は盤石、政権は安泰だろう。…明日が来ればの話だがなァ‼‼‼」←これ

 

俺解釈なんすけど、多分カザンって城下燃やしてから黒血剣取るところまで=ヒカリが王になる過程はマジでちゃんと「ヒカリが王としてク国を統治する未来」のために動いてたと思うんすよ そのために手段は多少選ばなかったというだけで だって世界全部を騙そうと思ったらまず身内から騙して信頼を勝ち取らなきゃいけないからね

ヒカリが王として君臨するためには、そして「(外聞上は)内乱を起こした妾腹の第二王子」というイレギュラーの身でありながら王位を強固なものにするためには、「現王を討った」以外の根拠、つまり王位継承者としての箔が必要だとカザンは考えた。まあごく自然なことだと思う。権力が神授されるためには神に選ばれたと民に周知するだけの説得力が必要。歴史上の英雄や権力者のエピソードにはたいてい尾ひれがつく。

アーサー王は剣を抜き、始皇帝は海神に会った

日本において天皇は敗戦するまで神の子孫だった

ヒカリにとってのそれは一連の華々しい英雄譚だった、という話

 

そりゃ朱玄城攻めも正面突破でかっこいい映画にしなきゃなりませんわな。国民だって嬉しいでしょ、世襲の外から急にやってきて国をガラっと変えようとしてる王様が、若くてイケメンで、その上1章から5章までの重厚な「ストーリー」を背負ってたら

そういう民衆の心理のことも考えて、カザンはあえて、現王暗殺の作戦として確実であることよりも、見た目がかっこいい革命を演出したんじゃないか

、と私は思っている

 

そうして、

 

発端から終幕まで誰かによってお膳立てされた王権簒奪劇 

誰が見ても共感し涙する悲劇とド派手で映える革命戦争

ヒカリが友から託された思いと強い信念を抱いてムゲンを討ったせいでオボロの手に渡る黒血剣 それがもたらす夜

それらの舞台裏を何も知らされず、ただ真ん中で健気に踊っていた王子様がヒカリだった と、全部終わってから知らせるこのゲームの残酷さ

 

黒血ソードとか夜だとかの独自要素の話だけではない。仮にカザン一人がいなくなったところで、ヒカリは王である限り、目立つ限り、これからも常にヒカリを利用しようとする人間に囲まれて生きるしかないだろう。権力を持つとはそういうことである。歴史上において王とか首長とか呼ばれるものが大概そうであるように、ヒカリも結局のところ権力の依り代のお人形として生きるしかない、というだけのこと。それを避けて狡猾に生きるにはヒカリはあまりにも実直すぎる。かつ、ヒカリは絶対に王をやめない。

四方八方多種多様の思惑の糸に雁字搦めにされながらきっと最期まで何かの駒として生きて死ぬことを定められた男 あるいは死後ですらそう 歴史上のあらゆる王と同じく、ヒカリの名前と地位と、彼自身の誠実さによって得た人望ですら、死後骨も残らないくらい利用されつくされるだろう

 

 

そういう意味で、ヒカリの人生ってだいたい常に滑稽で、多分最後まで茶番だと思う。

 

 

 

 

 

 

でよ、ここからが本題なんすけど

 

エクストラで全部の舞台裏の真相がわかって、俺のようなキモオタが「ヒカリくんしんどいかわいそう;;」って可哀そうがってペシコリ申し上げて(※「ペシミスティックにおシコり申し上げてる」の略)気持ちよくなってる横で、ヒカリ本人はなんて言ってたと思う?

 

 

 

この期に及んで、この男って”こう”なんですよ.

 

「俺の人生なんだったんだ」とかじゃなく、「どれほどの友の命が…」なんすよ。これまで自分が命がけでやらされてたこと全部全部仕組まれた茶番だったのに、そのことについては少なくとも表面上は全然嘆かない。

この辺、事の顛末を聞かされたソローネが叫んだのとは対照的に思える。ヒカリはショックは受けても動じない。

ソローネが弱いんじゃない、ヒカリがおかしい

 

そしてこれって茶番によって友が惨殺されたことに対する嘆きと怒りというだけでなく、そういうことをするしかなかったカザンの境遇に対する悲痛の意なんすよ(たぶんね)

あ~あ。お前の負けです。

 

私の中でヒカリ×ク国(相手左右固定)が確定した瞬間

デカすぎる器が そらそうよ 王の器なんだから

 

茶番だとか権力の傀儡だとか、キモオタがブヒブヒふせったーしてかわいそうがるまでもない そんなものとっくに覚悟が済んでいると言わんばかりの威風堂々

たとえ裏切られようと踏みにじられようと、永遠の片思いだろうと、ヒカリが死ぬまで愛して命を賭す相手は国家だけ ヒカリクってそういう男 王たるものの威厳 王の中の王 生まれながらの王

自分の手足に四方八方から誰かの思惑の糸が絡みついて踊らされてることなんか十分承知したうえで、それがどれだけ滑稽なのかも自覚したうえで、それでも、舞台の上で自ら手足をばたつかせることを諦めない人なんだなと思った。

 

 

 

(もうみんな言ってるだろうけど、)オボロとオリの名前が示すのは「揺らぎ」だと思う。

このゲームで繰り返し表現される陰陽の話 昼と夜 月と太陽 希望と絶望 

どちらに振り切ることもできず、濁っているから朧と滓なんだろう。

オボロが明日来るなと思ってたのも本当だし、一方でオリがパルテティオに希望を見てしまったように、カザンがヒカリに希望を見たことだって絶対あったはずなんですよ。おっパルヒカ運命か⁉そんなことは永遠にどうでもいいです

 

でもオボロはもう止まれない。数十年のスケールで計画はすでに動いている。最愛の妹も殺してしまった。

(オリが生きてることをオボロが知ってるのかはわからない、多分知らないんじゃないかなと思う)

 

こういう言い方をするのは、オボロ本人ですら「一点の曇りもなく言えない」からだろう。

オボロだって揺れていた だから最後の演説がああなるし、ヒカリ主人公だった場合の応答もこうなる 

 

ヒ担のオタクとしてこの「…」の部分からヒカリ・クという男の並ならぬ「覚悟」を感じ取り感情が∞になる

 

ここで言い切るのがヒカリクという男なんですよ

 

カザンが希望を見たのと同じように、ヒカリにだって明日を呪ったことがある 絶対ある それでも言い切るんだ だって自らの信じたことを為すしかないのはヒカリも同じだから

オボロと同じく、そして逆の方向に、言い切るのがヒカリクなんですよ

 

我々なんか置き去りにして、ヒカリクの生き様は気高く美しい 

漢の中の漢 お前が王

 

あんたが大将!って書いてあるパーティーグッズのたすきをヒカリクにかけてあげる

この3人似てるから好き